運命は二人を
「わかったよ。見合い相手の件は、クリアしたのか。」
「一週間以内になんとかする。約束する。だから、教えてくれ。」
「言っておくが、俺より、兄貴の喬斗の方が、面倒だぞ。心してかからないと、撃沈するぞ。俺は、そういう奴らを沢山見て来たからな。 」
「池上喬斗は、彼女の兄貴なのか?彼氏ではないんだな。」
「ああ、妹を溺愛する兄貴だ。彼氏だと思っていたのか。」
「彼氏だと思っていたから、一度は諦めた。でも、今日、また出会って、俺は彼女に惹かれていると、確信したよ。」
「まあ、頑張ってみろよ。でも、絶対に泣かすなよ、俺にとっても、美也は大事な従兄弟だ。」
「はっ、お前の従兄弟?」
「そうだ。喬斗も美也も、俺の母親の妹の子どもだ。」
「彼女は、みや、と言うのか?」
「美しいに、也(なり)と書いて、美也だ。」
「孝太、ありがとう。感謝するよ。」