運命は二人を


【和泉side】


翌日、さっそく、仕事の合間に父に、めぐみさんとの結婚を白紙にしたいと、申し出た。父は、

「今更、なかったことにするのは、難しいと思うぞ。結納の話も進んでいたし。」

「しかし、まだ結納も、婚約もしてない。どうしても、めぐみさんに対して、気持ちが動かない。俺も、努力はしたさ。仕方がないじゃないか。」

「おまえが、そう言うなら話してはみるよ。最終的には、おまえから、めぐみさんに誠意を持って謝るしかないぞ。」

「それは、わかっている。もちろんそうするつもりだ。出来るだけ早く、謝るよ。」


どうにか、父を説得できた。政略結婚だから、仕事への影響もあるはずなのに、俺の気持ちを優先してくれる親に感謝だ。
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