運命は二人を


それから、めぐみさんに会いたいと、連絡をした。

明日の夜、食事をすることにした。

めぐみさんは、いつものように、嬉しそうな様子で、

「楽しみにしています。」

と、言った。

申し訳ない気持ちは、あるが、愛してるわけではないから、さほど罪悪感は、なかった。

いつものように、「別れよう」で、済む話だと軽く考えていた。

翌日、話が他の人に聞かれては、嫌だろうなあと思い、一応、個室をリザーブした。

食事中も、何を話したらいいのかわからない俺は、ひたすらめぐみさんの話を聞くだけだった。
コーヒーとデザートが、運ばれてきた。

「めぐみさん、実は、これまでお付き合いをさせていただきましたが、あなたとこれからの人生を共にする決心がつきません。すみません。」

「それは、結婚は出来ないと言うことですか?」

「そうです。どうしても、気持ちがついていかないのです。」

「他に、想う方がいるのでしょうか?」
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