運命は二人を
そうこうする内に、無事、コンサートも終わり、後は卒業式を待つだけだ。
そして、例のお見合いの日がきた。
一応、着物を着て行くことにした。
母が、自分も着物にするからと、半強制的に、決まった。
私も、会うだけの気持ちが強いので、服装になんて、気を使わないでおこうと、母に素直に従うことにした。
昨日はドレスで、今日は着物で、なかなか忙しい。
母と、向かった先は、お見合いの定番、ホテルの個室だ。
正座が苦手な母の提案で、椅子掛けで、助かった。洋服なら正座でも大丈夫だが、着物で正座は、私も我慢できないだろうなあ。
私たちが、先に到着したようで、部屋に案内されて、待つこと5分、
「お連れさまが、いらっしゃいました。」
と、雅さんと息子さんが、部屋に入ってきた。