運命は二人を


そうこうする内に、無事、コンサートも終わり、後は卒業式を待つだけだ。

そして、例のお見合いの日がきた。

一応、着物を着て行くことにした。

母が、自分も着物にするからと、半強制的に、決まった。

私も、会うだけの気持ちが強いので、服装になんて、気を使わないでおこうと、母に素直に従うことにした。

昨日はドレスで、今日は着物で、なかなか忙しい。

母と、向かった先は、お見合いの定番、ホテルの個室だ。

正座が苦手な母の提案で、椅子掛けで、助かった。洋服なら正座でも大丈夫だが、着物で正座は、私も我慢できないだろうなあ。

私たちが、先に到着したようで、部屋に案内されて、待つこと5分、

「お連れさまが、いらっしゃいました。」

と、雅さんと息子さんが、部屋に入ってきた。
< 37 / 86 >

この作品をシェア

pagetop