運命は二人を
【和泉side】
目の前の美也は、びっくりして豆鉄砲をくらったような顔をしている。
俺は、吹き出したいのを我慢して、少しにやけてしまった。
会いたくてたまらなかった美也が、手の届く所にいる。
こんな満たされた気持ちになるなんて、自分でも呆れるほどだ。
自分にこんな感情が存在したなんて。
これで、美也は、俺の物だ。
絶対に手放さないぞと、決意を新たにした。
食事は、二人のことを、母親同士が紹介するという会話で、終始終わった。
その後は、決まったことのように、
「じゃ、この後は、二人で少し話しなさいな。」
と言いながら、母親たちは、部屋を後にした。