運命は二人を
【美也side】
なんと、お見合いの相手は、和泉だった。
食事中は、ほとんど母たちが、話していた。もちろん、私たちのことを。
恥ずかしくもあり、和泉のことを聞くのが、楽しくもあり、美味しい料理だろうに、一向に味わえない。
食事の後は、言わずもがな、お二人でどうぞ!だった。
もう、交際することが決まっているかのように話す和泉に、だんだん腹が立ってきた。
私は、付き合うとは、まだ言っていないのだ。
すると、今まで、連絡をしなくて、悪かったと、頭を下げた和泉に、私の気持ちも、和(やわ)らぎ始めた。
「頭を上げてください。お忙しくいらしたのでしょ。私は、怒っていませんから。 」
すると、
「では、これからよろしくお願いします!」
とにこっとして言う彼に、
「こちらこそよろしくお願いします。」
と、答えていた。