運命は二人を
【和泉side】
お見合いから、仕事が立て込んで全く時間がない。
美也に連絡したくても、予定が立たない。
少し苛立ちを覚える毎日だった。
せっかく正式に付き合い出したのに、これでは今までと変わりないではないか。
やっと、一つ契約が決まり、時間ができた。
東京にいては、誰に会うかわからない。彼女という決まった相手はいなかったが、以前からの女性たちに会う可能性もある。
まさかだが、めぐみさんや、彼女の関係者とは、まだ会いたくない。
美也に嫌な思いをさせたくないと、いろいろプランを練った。
思い切って、東京を離れて、なんてどうだ。
日帰りが可能な所で。
美也の都合を聞くと、オーケーだった。
よし、東京を離れて、伊豆に桜を見に行こうと考えた。
早く泊まりで出掛けたいなあ、と一人でニマニマしている自分に気づき、そんな自分に引いてしまったのは、忘れることにしよう。