運命は二人を


「ごめんなさい。父ったら、昨夜遅く帰ってきて、私も、さっき会ったばかりで、和泉さんに連絡する間も無かったの。驚いたでしょ。」

と、和泉の様子を伺うように、謝った。

「いや、驚いたけれど、挨拶ができてよかったかな。」

「そう?怒ってない?」

「全く怒ってないよ。近い内に、俺の父親にも、紹介するから。」

「はい、ぜひお会いしたいです。」

車の中では、お互いの好きな事や和泉の仕事のことについて話した。

衣類関係の仕事をしているから、和泉は、頻繁にフランスへ行くらしく、それで、私たちは、あそこで出会ったのだ。

女性と別れ話をしていて、水をかけられたことには、お互い触れなかった。

まあ、そこは、大人のルールだろう。

伊豆の桜は、満開で、それは素晴らしかった。

桜を見ながら、美味しい桜御膳と言う和食を頂いた。

二人とも、和食派で、ちょっと嬉しかった。
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