運命は二人を
フランスで
久しぶりのフランス。
いつもは一人で来ていたのに、和泉と来ることになるとは、思いもしなかった。
飛行機の中では退屈せずに済んだし、何よりも安心している自分を感じた。
ホテルにチェックインする時、初めて部屋がツインだと知り、戸惑った。
和泉は、
「美也の嫌がることは、決してしないよ。誓うから。ただ、そばにいて欲しい。それに美也を安全なところに置きたいから。」
「わかった。ツインで大丈夫だよ。私もそばにいたいから。」
「よかった。」
その後、部屋で荷物の片付けを済ませると、私たちは、久しぶりのパリの街を楽しんだ。
そして、その夜。
「美也、先にシャワー浴びていいよ。俺は30分ばかり仕事をするから。」
「うんそうするね。今日は歩き疲れたから。」
私は、和泉の有難い言葉に従うことにした。
和泉は、明日から仕事に出かける。
私は、ピアノの恩師であるヨハン先生を訪ねる。
ヨハン先生も、連絡をすると喜んでくれて、明日を楽しみにしていてくれる。