運命は二人を
俺は、シャワーを浴びながら、『美也が警戒しているのかも』と感じていた。
抱いて早く自分の物にしてしまいたいと、心から望んではいるが、きっと美也は初めてだろう。それを大切にしてやらなければ、と自分に言い聞かせた。
シャワーから出ると、美也は、ソファで、本を読んでいた。
「何を読んでいるの?」
「ただの小説。日頃ゆっくり読む時間がないでしょう。だから、旅行にはいつも本を持ってくるの。」
「そうか、俺は仕事しかしてないな。次からは、俺も本を持ってこよう。少しは余裕を持たないとな。」
「もう、寝る?」
「そうだな。明日も忙しくなりそうだから、寝るか。」
「じゃ、そうしましょう。」
美也は、ベッドに静かに潜り込んで、
「おやすみなさい。」
と目を閉じた。
「おやすみ」
俺も、自分のベッドに入った。
今夜は、大人しく寝るとしよう。美也の事を意識しないように、明日の仕事の事を考えて寝る事にしよう。