運命は二人を
翌日、俺はフランスのデザイナー、メルローズ・ルトニィが経営するメルローズ社との契約更新のために、フランス支社の二宮健人と出かけた。
そのまま契約更新できると思っていたが、社長のメルローズが、俺とでなければ、契約しないと呼び出されたのだ。仕方なく、わざわざフランスまで来ることになってしまった。
以前、何度か関係を持ったので、嫌な予感がしていた。しかし、俺には美也がいるから、もう絶対に他の女とは関係を持たないと、固く決めていた。
《和泉、ひさしぶりね》
《メル、いつもありがとうございます。》
《わざわざ来てもらえて、嬉しいわ。どうしても和泉に会いたかったのよ。無理をさせてごめんなさい。》
《どういたしまして。俺も会えて嬉しいですよ。》
《フランスは、いつまでいるの?時間があれば、ゆっくり食事でもしましょうよ。》
俺は、嫌な予感が当たったことを確信した。
食事の後は、ホテルなのだろう。