運命は二人を


メルは、その1時間後、携帯に電話をしてきた。明日の夜、7時から会うことにした。

その夜、ホテルに帰ると、美也に

「今日は、出かけないの?」

「うん、ひさしぶりにフランスの友達と会ってきたわ。来年、結婚が決まったのよ。二人で前祝いしたの。」

「そうか。それで恩師とは?」

「それが、急に演奏旅行で、ヨーロッパを回ることになり、出かけてしまったの。だから、2週間は、帰ってこないって。これはね、自分で考えて結論を出しなさいと言うことだと思うの。まあ、大体決まりかけているのだけどね。」

「そうか、まあ最後に決めるのは自分だからな。俺は、美也の決めたことに従うよ。」

「ありがとう。凄く心強いし、嬉しい。」

「ところで、夕飯を食べに行こう。腹減ったよ。何が食べたい?」

「何でも。でも、このホテルのローストビーフは、有名だから、いる間には食べたいな。」

「では、何回か食べよう。今夜はその中の1回目だ。行こう。」

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