運命は二人を


【美也side】

「今夜は、一人かあ。」

ずっと一緒にいたから、一人は寂しい。

もう一人ではいられない。和泉と一緒がいい。

そう思う自分に驚いている。これほど、和泉を必要としているなんて。

携帯が鳴った。

《はい。ルイーズ?どうしたの?えっ、今夜。うん、大丈夫よ。わかった。7時に、オリエンタルホテルね。》

ルイーズの婚約者が、私に会いたいと言うので、一緒に食事をすることになった。

一人で、寂しい食事をせずにすんだ。

しかし、この食事がきっかけで、私たちの間が大変なことになるとは、まだ私は知らない。
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