運命は二人を
《いや、構わないよ。はじめまして、いつも美也がお世話になっているようだね。》
《そうよ。今夜だって、一人だと言うから、一緒に食事をしたの。誰かさんが、ちゃんとしないから。》
《誤解しないで、仕事だから。》
《女性とキスするのが仕事なんて、ホストなの?》
《いや、こちらは、取り引き先の会社の社長。今、食事を終えて、帰るところだよ。お別れの挨拶をしていただけ。》
《そうなの。だけど、さっきのキスは、挨拶だとは思えないけど。果たして、美也はどう判断するかしら。》
《美也には、わかってもらえるまで、説明をするよ。》
《美也、俺も帰るから、一緒に帰ろう。》
《あら、私のことは、紹介してくれないの?》
《ああ、美也、こちらメルローズ社の社長でメルローズ・ルトニィ、メル、俺の恋人の美也だ。じゃ、おやすみ。ミッチェルとルイーズもありがとう、おやすみ》
そうみんなに向かって挨拶をした和泉は、私の肩を抱いて、タクシー乗り場に向かった。