運命は二人を
美術館を観て、ホテルにチェックインした。
パリでもツインだったからか、美也は部屋については何も言わなかった。
食事の後、モンボロン(ボロン山)にニース の夜景を観に行った。実は、そこでプロポーズをする予定だったのだ。
しかし、昨夜のことで、タイミングが悪いと感じた俺は、今夜は、プロポーズを見合わせることにした。
まあ、まだ焦ることはないだろう。
指輪は準備してあるから、いつでもプロポーズはできる。
日本に帰ってから、仕切り直しだ。
翌日は、隣町のアンティーブに行き、あの有名なピカソ美術館を見学した。
もっと観光したいのは、山々だが明日はパリに戻り、日本に帰国しなければならない。
美也のことでは、俺の計画も思うようにいかない。
これからも振り回されるのだろうなあ。でも、愛する彼女だから、それもまた楽しい。
俺がこんな風に考えるなんて、今までにはなかったことだ。
俺自身が驚きとともに、毎日が明るく輝いていると感じてしまうのだ。