運命は二人を


【美也side】

昨日帰国して、今日は未知瑠にお土産を渡すために、ランチを一緒に食べている。

「綺麗なレース、ありがとう。結婚式のベールにするね。」

私が選んだのは、フランス産のレース。

和泉がいつも仕入れている生地の工場から、探してきたものだ。

「それで、あなた方は上手くいっているみたいね。」

「まあまあね。フランスでもいろいろあったけど。」

「いろいろって?」

「元カノ?…らしい女性にキスされている和泉を見せられた。」

「それはそれは…純粋な美也には、ハードな体験だったわね。」

「女の嫉妬って、怖いなあ。自分にも、あんな醜い感情があるのかな?」


< 68 / 86 >

この作品をシェア

pagetop