運命は二人を
【美也side】
昨日帰国して、今日は未知瑠にお土産を渡すために、ランチを一緒に食べている。
「綺麗なレース、ありがとう。結婚式のベールにするね。」
私が選んだのは、フランス産のレース。
和泉がいつも仕入れている生地の工場から、探してきたものだ。
「それで、あなた方は上手くいっているみたいね。」
「まあまあね。フランスでもいろいろあったけど。」
「いろいろって?」
「元カノ?…らしい女性にキスされている和泉を見せられた。」
「それはそれは…純粋な美也には、ハードな体験だったわね。」
「女の嫉妬って、怖いなあ。自分にも、あんな醜い感情があるのかな?」