運命は二人を

私を残して、琴音さんは、帰って行った。

本人に無断で失礼かとも思ったが、和泉の知らない部分に入っていけるのは、嬉しかった。

とりあえず、熱がまだあるようなので、冷えピタをそおっと額に貼り付けた。

和泉は、「ん」と小さく声を出しただけで、眠ったままでいてくれた。

起こさなくて、ほっとした。

簡単に、リビングのテーブルのグラスや、新聞雑誌を片付けた。

あまり音を立てると、和泉が起きてしまうので、気を使った。

着替えは、琴音さんから、クローゼットを聞いていたので、緊張しながら、用意した。

男性の下着は、父や兄で慣れているはずだが、やはり、和泉のはドキドキしながら、用意した。

デスクチェアをベッドの脇に持ってきて、和泉の様子をみる。

本当に、一つ一つのパーツが理想的で、うっとりしてしまいそうだ。

その上、肌の綺麗なこと。女性としても嫉妬してしまう。

初めて、まじまじと、和泉の顔をみた。

こんな私が隣に並びたっていいのだろうかと、思わずには、いられなかった。
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