運命は二人を


「和泉、お前、見合い相手と、付き合うことにしたんじゃないのか。」

「ああ。 」

「じゃあ、彼女に近づくのは、まずいだろ。 」

「わかってる。」




そう、俺は、 先月、親に言われて、見合いをした。

相手は、仕事関係者の娘だ。

いわゆる政略結婚に近い。

俺の親は、無理矢理な結婚はさせない。

俺の考えで、もう30歳にもなったし、この辺で落ち着くのも良いかと思い、見合いを承諾し、付き合うことにしたのだ。

今まで、まあ多少は、女性と付き合うことはあっても、結婚は考えてなかった。

マリアンヌとも、パリに来た時の付き合いだけのつもりでいた。

見合いの後、マリアンヌと、東京での彼女、一美(かずみ)と、きっぱりと別れたのだった。
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