運命は二人を
結婚に向けて
和泉もすっかり元気になり、次の土曜日に海に来ていた。

海辺のホテルのディナーを満喫し、デザートになった時、和泉が恥ずかしそうに、四角い箱を美也に差し出した。

「美也、一生大切にする。俺とこれからの人生を共に歩んでほしい。」

美也は、驚きと喜びで声が出ず、和泉が箱から指輪を出して、左手の薬指にはめてくれるのを、じっと見つめていた。

「美也?返事は。」

「嬉しい。私も、貴方とずっと歩んでいきたい。よろしくおねがいします。」

「じゃ、これから、ますます忙しくなるよ。結婚の準備を進めるからね。覚悟して。」

「うん!」

この間、プロポーズらしき言葉は、言ってくれたが、きちんと改めてプロポーズされて、美也は、幸せを噛み締めていた。

和泉は、フランスから、ずっと渡したかった指輪をやっと渡して、プロポーズできて、ほっとしていた。何しろ初めて経験だから。
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