君がいなくなるその時は

死神からの忠告




「………ちょっとよく、わかんない」


「まぁ、そうなるのは仕方がないよな。でも、時間がないんだ。河野大聖は明日の内に死んでしまう。だから、お前に後悔してほしくないんだ」


わたしは死神という男の言ってることが理解できないままでいた。


大聖が、明日死ぬ………?


何だそれ。だって、おかしいじゃないか。

昨日だって一緒に走って一緒に笑って一緒に泣いて、一緒に声が枯れるまで叫んだんだから。


今日だって、一緒に………。


「伝えたいことが、あるんだろ?」


「……っ…」


「明日までに言わないと、もう一生伝えることはできない」



伝えたいこと………。


この死神は何でも分かってる。



あるよ、伝えたいこと。
いっぱいあるけど、大事なことが一つある。

それはいつでも言えると思ってたけど、本当に明日までに言えなかった本当に一生言えなくなっちゃうの?



こんな突然の死神の忠告に、涙すら出なかった。
驚きが大きくて、頭のコントロールが上手くできない。



本当に大聖は、死んじゃうの………?


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