君がいなくなるその時は
「………あ、おはよ、大聖」
玄関を開くと目の前には大聖がいた。
突然だったから少し驚いてしまった。
こんなのいつものことなのに。大聖が玄関で待っててくれるなんて当たり前のことなのに。
「なんか今日希生遅くなかった?文化祭だそ?………もしかして、まだ目覚めてないとか?」
…やっぱりありえない。こんな元気で明るくて太陽みたいな大聖が、明日までに死んじゃうなんて………。
「…希生?」
普通にするなんて無理………。
「希生、いつも通りだ。難しいかもだけど切り替えろ。河野大聖の最後が、お前が悲しんでたらコイツだって悲しくなるぞ」
…そうだ。わたしが頑張らなくちゃ。大聖が悲しい気持ちになるのは避けないと。
「………ん。そう!朝目覚め悪くってさぁ〜。昨日の体育祭の結果が微妙だったからなー!」
「あーあれまじ悔しいよな。ま、今日は勝ちに行こうぜ!」
「うん!」
彼が大切だから、わたしが頑張らないと。