君がいなくなるその時は



「………あ、おはよ、大聖」


玄関を開くと目の前には大聖がいた。

突然だったから少し驚いてしまった。


こんなのいつものことなのに。大聖が玄関で待っててくれるなんて当たり前のことなのに。


「なんか今日希生遅くなかった?文化祭だそ?………もしかして、まだ目覚めてないとか?」


…やっぱりありえない。こんな元気で明るくて太陽みたいな大聖が、明日までに死んじゃうなんて………。


「…希生?」


普通にするなんて無理………。


「希生、いつも通りだ。難しいかもだけど切り替えろ。河野大聖の最後が、お前が悲しんでたらコイツだって悲しくなるぞ」


…そうだ。わたしが頑張らなくちゃ。大聖が悲しい気持ちになるのは避けないと。


「………ん。そう!朝目覚め悪くってさぁ〜。昨日の体育祭の結果が微妙だったからなー!」


「あーあれまじ悔しいよな。ま、今日は勝ちに行こうぜ!」


「うん!」


彼が大切だから、わたしが頑張らないと。


< 13 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop