君がいなくなるその時は
河野大聖(コウノタイセイ)。彼はわたし、蒼井希生(アオイキイ)の幼なじみ。
家も近くて、道路を挟んで斜め前が彼の家。
最初はただのご近所さんの関係だったんだけど、わたしが小学一年生の頃に起こったある事件がきっかけで、わたしと大聖はとても仲良しになった。
今は”幼なじみ”と言えるまでの関係に成長した。
大聖とは小学校からずっと一緒で、登下校も夏のお祭りも入学式も卒業式も、ずっとずっと一緒だった。
小さい頃はお泊まり会なんて普通で、2人でお風呂とか昼寝とか当たり前のことだった。
流石に今はそれはないが、仲の良さは健在である。
何をするのも一緒で、授業でペアを作ることがあったら何かとわたしと大聖の2人でやることが多かった。
小学六年生の頃、一緒に学級委員もやったことがあったっけ。
でも中学生になるにつれて、わたしと大聖の関係がピタリと止まったことがあった。
大聖の思春期っていうのかな。
いつも朝外に出たら大聖が待っててくれてるはずなのに、その日はいなくて。寝坊かなとか思ったけど、その日からずっと待っててくれることはなかった。
なんか悲しくなって、大聖の友達に大聖のことについて聞いたんだけど………。
大聖がすごく悩んでたって聞いた。
わたしはその悩みに気づかなくて、なんか情けなくなって。その悩みを知った日に、一人で泣いたっけな。
それくらいわたしは大聖のことが大切。
だからその悩みを知った数日後、大聖に会って話をした。