テディベア
大希は紫織に向かって一瞬ニコッと笑い、向きを変えパンを食べすすめる。
「違うでしょうが!!!」
紫織はまた大希の足を軽く蹴った。
「はいはい。わかってるよ。プレゼントだろ??」
「わかってんじゃん♪」
紫織のきげんは一瞬にして良くなった。そして大希と同じ景色を見た。
「俺さぁ、この裏階段から見る景色好きなんだよな」
「何で??」
大希は紫織に笑いながらこう言った。
「何か落ち着くから(笑」
大希は笑いながら空を見ていた。秋を感じさせるような少し寂しげな雲が浮いていた。
「大希ってたまに分かんなくなる」
紫織は大希に少し近付きそう呟いた。