テディベア
大希にとってとても大事にしていたマスコットだ。それは紫織もよく知っている。だから隠したのだった。
「あっ!!あった!!!!!」
朝練でマスコットを探していた大希。あのダンス好きの大希が、振付けを放って探していたんだ。よほど大事な物なんだ。
「誰だよこんなとこに隠したの」
「私ぃぃ♪」
紫織がスキップしながら大希に近づいた。いかにも馬鹿にした顔で大希に言った。
ベシッッ!!!!
「っ!!!」
部室に響いた強烈な音。その音には大希の怒りがこもっていた。
「なにすんのよ!!」
紫織の頬は真っ赤に染まっていた。