過保護な騎士団長の絶対愛
プロローグ
顔を上げると、ユリウス・メルヴィン・スティーガは、鈍く光る剣の切っ先を向けられていた。
あぁ、これでやっと死ねるんだ――。
弾かれた剣を拾うことなく、諦めたようにユリウスはほっと安堵の笑みを浮かべた。
「貴様、何がおかしい? こういう時は命乞いをするものだろう」
まだ年端もいかない五歳の少年に容赦なく剣を向けるその男は、怪訝にユリウスを見下ろした。
積雪を思わせるような背中まで伸びた白銀の髪に、際立ったアイスブルーの双眸は、たとえ幼くとも物怖じしない強さを秘めていた。長年、太陽の下に出たことがないと物語っているような肌は、白く透き通るようだった。
「命乞い……? なんですか、それ? こんな生活が続くなら、生きていても仕方がない」
五歳とは思えない感情の希薄さ、人間味のなさにその男は眉を顰めた。
あぁ、これでやっと死ねるんだ――。
弾かれた剣を拾うことなく、諦めたようにユリウスはほっと安堵の笑みを浮かべた。
「貴様、何がおかしい? こういう時は命乞いをするものだろう」
まだ年端もいかない五歳の少年に容赦なく剣を向けるその男は、怪訝にユリウスを見下ろした。
積雪を思わせるような背中まで伸びた白銀の髪に、際立ったアイスブルーの双眸は、たとえ幼くとも物怖じしない強さを秘めていた。長年、太陽の下に出たことがないと物語っているような肌は、白く透き通るようだった。
「命乞い……? なんですか、それ? こんな生活が続くなら、生きていても仕方がない」
五歳とは思えない感情の希薄さ、人間味のなさにその男は眉を顰めた。
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