過保護な騎士団長の絶対愛
「シェリア王国っていうのは……?」

 ララが尋ねると、ガイルは不安げな表情のララをなだめるように言った。

「シェリア王国はまだまだ発展途中の小さな国ですが、コルビスから三日ほどでたどり着ける場所にあります。コルビス王国に比べると規模は小さい国ですが、けして恐れるようなところではありません」


「父上、求婚って、どういうこと……?」

「シェリア王国……うーん、聞いたことがあるような気がするのだが……」

 モリスは自分の娘が求婚されているというのに、自身の考えに耽ってしまっている。

 とにかく、ここで結婚の話を進められて父上がその気になっても困る――。

「あの、ここじゃなんですから、庭園に異って話をしましょう? 日が出ている庭園は夜とはまた違う楽しみ方ができるんですよ」

「ほう、そうですか。では行きましょうか」

 ひとりでまだ考え込んでいるモリスをあとに、ララとガイルは謁見の間から庭園へ向かった。
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