過保護な騎士団長の絶対愛
玉座の間には深紅の絨毯に金色の刺繍が施してあり、シャンデリアが煌々と輝いていた。そしてその光を反射するように煌めく王座にモリスが落胆した様子でうなだれていた。
ユリウスが敬意を払い、ゆっくりとした動作で跪くと、ユリウスが口を開く前にモリスが言った。
「ララがいなくなった」
「え……?」
つい、王の面前で声を漏らしてしまい、ユリウスは動揺を慌てて押さえつけた。
「表をあげよ」
「はっ」
垂れた頭を上げると、モリスと目が合う。モリスも困惑しているような面持ちで、何度もため息をついていた。
「ユリウス、シェリア王国を知っているな?」
シェリア王国はコルビスの近隣にある小王国だ。しかし、国交を拒み閉鎖的な国で接点がないために国の情報に乏しい。
「今日、その国の王子を名乗る男が謁見に来たが……私としたことが迂闊だった。分断国家であるシェリア王国の元の国は……確かヴァニス王国。それを私が失念していた」
「まさか……」
先ほどのイザベルの言葉がよみがえる。
ユリウスが敬意を払い、ゆっくりとした動作で跪くと、ユリウスが口を開く前にモリスが言った。
「ララがいなくなった」
「え……?」
つい、王の面前で声を漏らしてしまい、ユリウスは動揺を慌てて押さえつけた。
「表をあげよ」
「はっ」
垂れた頭を上げると、モリスと目が合う。モリスも困惑しているような面持ちで、何度もため息をついていた。
「ユリウス、シェリア王国を知っているな?」
シェリア王国はコルビスの近隣にある小王国だ。しかし、国交を拒み閉鎖的な国で接点がないために国の情報に乏しい。
「今日、その国の王子を名乗る男が謁見に来たが……私としたことが迂闊だった。分断国家であるシェリア王国の元の国は……確かヴァニス王国。それを私が失念していた」
「まさか……」
先ほどのイザベルの言葉がよみがえる。