過保護な騎士団長の絶対愛
「モリス様、ララ様の守護は私の使命です。すぐにでもシェリア王国へ向かいます。モリス様はこちらにてどうかお待ちください」

「待て。ユリウスよ、すぐにでもララを助け出したい気持ちはわかる。だが、考えなしに出向くのは早計だ。必要なものがあればすぐにでも用意させる」

 逸る気持ちを諭すように言われる。モリスも悠長でいるわけではなかったが、作戦もなしに丸腰で行くのは無駄死にしかねない。

「ユリウスに命ずる。必ずやララを連れ戻して参れ」

「御意!」

 ユリウスは再び頭を垂れると、久々に頭に血が上る感覚を覚えた。そして今にも燃え上がりそうな憤りを瞳の奥に宿した。
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