過保護な騎士団長の絶対愛
 ユリウスとの口づけは、甘く、魅惑的でそれでいて神聖なものに思えた。戸惑いながらもララは身体の芯が震えて、蕩けるような唇で喘ぐように応える。

「愛しています。ララ様」

 ふと唇がわずかに離れたかと思うと、その唇から再び愛が囁かれる。

「私もよ、ユリウス……愛してるわ」

「きっと、ガイルをこの手で殺していたら……私は私でいられなくなっていたでしょう。あなたの言葉で我に返ることができた」


 ――あなたが私の目の前で人を殺すところなんて見たくない!


 あの時、ララは咄嗟にそう叫んでいた。
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