過保護な騎士団長の絶対愛
エピローグ
 その夜。

「疲れましたか?」

 国王の私室は特別に新しく造り直し、少し広めの部屋になっていた。これも、ララと一緒に過ごせるようにとの配慮だとわかる。

 ふたり一緒に寝ても十分余るほどのベッドに、部屋の中央には大きな木製の大きなテーブルが置いてあり、その下には高価な絨毯が敷いてあった。窓も大きめで、明るく日の光が燦々と降り注いている様子が目に浮かぶ。

「少し、でもまだ気持ちが高ぶっているみたいで、全然眠たくないわ」

 窓際に立ち、月夜に照らされるユリウスにゆっくり歩み寄ると、ララはぎゅっとユリウスの身体に腕を絡めた。

「ユリウス……私に、あなたの愛をもっと教えて欲しいの。本当のあなたを私に見せて欲しい」

いつでも見詰めていたいユリウスの瞳。ララの瞳も鏡のように見詰め返される。

 月夜に照らされるララは、あれだけ外で剣を振り回していたというのに、今は不思議と白さが際立って、ダークブラウンの髪も流れるように美しかった。
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