過保護な騎士団長の絶対愛
「ララ様……」

「ふふ、私はもう“ララ様”じゃないわ、ただのララよ? だから、ユリウスももう私にそう畏まらなくてもいいの、そう言ったでしょう?」

 ララは氷河の色のような双眸を揺らめかせているユリウスを上目づかいで覗き込む。

「ララ……」

 “様”と呼ばれなくなるだけで、胸がドキリと鳴る。

ララの抱擁にユリウスは、その細い腰に手を回して引き寄せる。そして白くしなやかな手を取ると、彼女の左薬指にはめられた指輪に唇を落とす。

「本当に、本当に……俺のものになったのだな……あぁ、こんな日が来るなんて、もっと抱きしめたい……もっと、感じたい」

 ユリウスの一人称が俺に変わる。ドキドキと心臓が波打って、その音がユリウスに伝わってしまうのではないかと不安になった。

「あ、ユリウス……」

 ララの身体の震えがユリウスの理性を刺激する。


 ――もう、迷いはない。
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