過保護な騎士団長の絶対愛
「ならば、こんな生活が続かなければ、生きている意味があるのだな?」
「え……?」
「私の名前はモリス・スイーダ・ウェインだ」
その男は、年齢に似つかわしくないユリウスの物言いに、さして驚く様子も見せず、名を名乗った。
モリス……? 誰だ――?
幽閉生活の長かったユリウスはもちろん知る由もない。しかし、ユリウスは警戒しながらも、周りにいる兵士との風格の違いを感じ取っていた。
白髪の混じった黒髪はもみあげを通って髭につながっている。年は五十くらいで、さして若々しくもないが鎧を身にまとっているせいか、より威厳に満ち溢れている。長身というには及ばない百七十そこそこの身長も、ユリウスにとっては十分に迫力を感じた。しかし、その男は勇ましい威圧感の中にも、不思議と緊張させない柔和な雰囲気を持った人物だった。
モリスはユリウスと目線を合わせるように片膝をついた。
「お前はヴァニス王国の第二王位継承者、ユリウス・メルヴィン・スティーガだな? お前はなぜこのような場所に閉じ込められている?」
慈悲を含んだ物腰柔らかな声音で言われ、ユリウスは躊躇した。今まで、そんなふうに話しかけられたこともない。ユリウスは、自分の存在を見つめてくれたその男にゆっくりと口を開いた。
「……私が邪魔者だからです」
いったい何者なんだ、この男――。
「え……?」
「私の名前はモリス・スイーダ・ウェインだ」
その男は、年齢に似つかわしくないユリウスの物言いに、さして驚く様子も見せず、名を名乗った。
モリス……? 誰だ――?
幽閉生活の長かったユリウスはもちろん知る由もない。しかし、ユリウスは警戒しながらも、周りにいる兵士との風格の違いを感じ取っていた。
白髪の混じった黒髪はもみあげを通って髭につながっている。年は五十くらいで、さして若々しくもないが鎧を身にまとっているせいか、より威厳に満ち溢れている。長身というには及ばない百七十そこそこの身長も、ユリウスにとっては十分に迫力を感じた。しかし、その男は勇ましい威圧感の中にも、不思議と緊張させない柔和な雰囲気を持った人物だった。
モリスはユリウスと目線を合わせるように片膝をついた。
「お前はヴァニス王国の第二王位継承者、ユリウス・メルヴィン・スティーガだな? お前はなぜこのような場所に閉じ込められている?」
慈悲を含んだ物腰柔らかな声音で言われ、ユリウスは躊躇した。今まで、そんなふうに話しかけられたこともない。ユリウスは、自分の存在を見つめてくれたその男にゆっくりと口を開いた。
「……私が邪魔者だからです」
いったい何者なんだ、この男――。