愛故に舞うペタル
バンッ!
「おせぇんだよ!!!!!」
リビングから勢いよくやって来たのは、
「……お父さん…ただいま…。」
「お父さん??何言ってんだ花音…酒がなくなったんだよ、早く買ってきてくれ。」
空のビール缶を持った父を見て私は首を横に振る。
ただいまの返事は今日もない。
「…まだ未成年だしお酒は買えないよ。」
こんなこと言っても無駄なのは分かってる。 それでも毎回否定しないと、この人の闇に飲み込まれ、誰も止められない気がしたから。
「は…?!誰に向かって口聞いてんだ!!!」
「っ…!!!!!」
パーンッ!!
この家は毎日蒸し暑い。
顔が火照るのは夏のせい。
いいや。叩かれたからかな。