あなたの隣にいたかった
桜も満開になりお花見シーズン真っ只中のある朝


「___ど、同居⁉︎」


「そう!高校の時の友達夫婦とその子供と!」


素っ頓狂な声の私に引き換えルンルン気分の母


「何でまた…」


「いいじゃないか、賑やかで楽しくなるぞ」


ノリノリ父に言葉も出なくなる


「…前から変わってるって思ってたけど、ここまでとは…」


思わず頭を押さえてしまう


「だって、この家広過ぎて部屋余ってるでしょ?」


「それは、そうだけど何も同居だなんて」


「お願〜い、美里」


年に相応しくない猫なで声と上目遣いで攻撃してくる母


「ん〜…分かった。好きにすればいいよ」


ため息をつきながら渋々承知する


「やったあ!」


「良かったな!」


子供の前で抱き合って喜ぶ馬鹿な親を横目に朝ご飯を食べ始める


「あ、そうそう!
向こうの子は美里と同い年で、坂口陽太くんって子だから。
今日から美里と同じ学校に転校してくるみたい。」


本日、2度目の爆弾に喉にパンがつまりかける


「ゲホっ…ゴホっ…お、男の子なの⁉︎」


「うん!」


何か問題でも?みたいな顔をする両親にもはや何もいう気になれず、


いってきます、と声をかけ家を出た


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