王太子殿下は無垢な令嬢を甘く奪う
「折れそうに華奢な身体つきなのにもかかわらず、女としての膨らみは充分男の欲望を誘うものだったな。
まだ齢十六の少女だが、童顔の影から醸すあの色香にいい年をした男の本能が惑わされるようだったよ」
穢れのない少女をまるで汚されているような錯覚に、怒りが睨むウィルの眼を血走らせる。
「この私が、思わず吸い付いてしまうくらい、あの玉のような肌は男を惹きつける。お前もそうなんだろう?」
決して看過できないフレイザーの言葉が、ギリギリの理性で押し留めていた怒りの琴線に触れた。
「あれが夜どんな声で啼くのか知りたいものだ。
ああそうだ、知っているなら教えてくれないか“ウィル”。今後花嫁として迎え入れる際の参考に――……」
「口を慎めフレイザー……っ!!」
自分を茶化すような呼称と挑発に、怒りを抑えきれなかったウィルは、勢いよく立ち上がり、フレイザーの胸倉を青筋の立つ両手で握りこんだ。
まだ齢十六の少女だが、童顔の影から醸すあの色香にいい年をした男の本能が惑わされるようだったよ」
穢れのない少女をまるで汚されているような錯覚に、怒りが睨むウィルの眼を血走らせる。
「この私が、思わず吸い付いてしまうくらい、あの玉のような肌は男を惹きつける。お前もそうなんだろう?」
決して看過できないフレイザーの言葉が、ギリギリの理性で押し留めていた怒りの琴線に触れた。
「あれが夜どんな声で啼くのか知りたいものだ。
ああそうだ、知っているなら教えてくれないか“ウィル”。今後花嫁として迎え入れる際の参考に――……」
「口を慎めフレイザー……っ!!」
自分を茶化すような呼称と挑発に、怒りを抑えきれなかったウィルは、勢いよく立ち上がり、フレイザーの胸倉を青筋の立つ両手で握りこんだ。