恋を教えてくれた君と恋を思い出させてくれた君。
──死んだ奴は他人の記憶の中で、心の中で生きてるんだ。一緒に。同じ時を過ごすことが出来る…

私「う、んっ…」

ポロポロと涙が零れる。
だって。一緒に今いる。そう考えただけで少し楽になった気がして、少しだけど自分のことを愛おしく思えたから…
今までとても嫌いで自分の体を傷つけることに快感を覚えてリスカしたりしてた時の気持ちがスーっと消えていくような気がした…

龍崎「なぁ」

私「…」

龍崎「落ち着くまで俺の話聞いてね。
俺はさ、大切な奴が死んだりしてないけど、でも辛い気持ちはわかる
普段は笑ってばっかの優希がさ、ふと暗くなる時がある
自分で気づいてるかは知らないけど優希の言葉がたまに感情が篭ってないのはそれが原因なんだなって今理解した。
安心しろ、俺はそいつの過去に何があっても昔は昔、今は今。
優希が今を生きているなら俺は今を生きている優希を見る。
分かった?」

私「うんっ…」

龍崎「だから、優希まで死なんといて。
その彼の分まで幸せになれ。
なんなら俺が幸せにしてやるから。
だから俺のことだけは信じて。」

もう、頷くことしか出来なかった…
涙は止まらないし、嬉しい事言われてもっと涙出てくるし、ぐちゃぐちゃだ。

龍崎「今日、寝落ちしようか。
色々、聞かせてよ。
悩みも、好きなことも苦手なことも。優希のこともっと教えて
俺のことも、もっと知って。
男の苦手意識を薄めることから始めよう」
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