レンタル魔法少女
魔法の杖を振りかざし、親子に先端を向けた。
「ルテチカ・ルテチカ・メルティアンディール!喰らえ、ブリンク・ジュエル!」
銀色の光が親子を一瞬で包み込んだ。
「アハハっ、面白い事やってんね~」
「馨(かおる)……」
チャラい茶髪のショートヘアの魔法少女が隣に降りてきた。
同業者の宵宮 馨(よみや かおる)。
私と同じ魔法少女だ。
と言っても、レンタル魔法少女を枕営業同様にやってる、もったいない奴だけど。
馨はおちょくるように敬礼して笑う。
「おいっス!馨ちゃんだぞ~?」
「今仕事中なんだけど。忙しいからあっち行ってて」
「えー?鞠菜の仕事って恐喝だっけ?」
「断じて違うけど、これミスったら明日ご飯買うお金無いの。あいにくお前みたいに枕営業で稼げるビッチじゃないんでね」
「なんだよそれー、アタシがだらしない子みたいじゃん!」
「変身の仕方が雑で着崩しまくってる奴の言うセリフじゃねーよそれ 」
現に馨が今着てる魔法少女服は両肩が出ているスタイルだ。