レンタル魔法少女
私の頭の中で『面倒な客相手の仕事』と『ご飯代が浮く』が天秤に掛けられた。
両方同じくらいの重さ。
どちらに傾くか……
「あ、そうそう。行こうと思ってる遊園地、レストランがあるんだけどさ、ステーキ十人前食べられたらタダ!みたいなキャンペーンやってるんだ」
ステーキ!つまり肉!!
『ご飯代』の方に天秤が傾き、重さの余り壊れた。
「しょ、しょうがないな……」
「わーい、やった!」
客は子供みたいに万歳して喜んだ。
「行ってらっしゃーい♪」
馨の不必要な見送りの元、私は魔法で出した箒に客と二人乗りして、空を切るように飛び立った。
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