【短】虹色

がらがらがら。


と、少し間伸びした音を出して教室のドアを開けたら、すぐにふんわりとした声に呼び止められる。


「…茉莉亜…?」

「…あー…都夢…」

声を掛けて来たのは、同じクラスで席が隣の安西都夢(あんざいとむ)だった。
彼とは、席順的に隣同士になってからすぐに、名前の件から意気投合し仲良くなった。

「…まりあ、ってどう書くの?」
「…とむはどう書くの?」


そんな感じだったと思う。
いきなりの質問にも関わらず、すんなり会話をスタートする事がなんとなく嬉しくて、あたしはその日から彼とよく話をするようになっていた。

< 3 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop