【短】虹色
「…こんな所でどした?」
彼の口調はいつもほんわかしていて、とても和む。
こんな人が、「好き」と言ったら、破壊力は凄いんだろうな…と、そんな事を思っていたら、
「…一緒にクラス、帰ろ?」
と笑顔で誘われた。
それが、彼なりの優しさだと分かるから、とても助かる。
彼は、とにかく人も気持ちに敏い。
だから、きっと、今のあたしの状況にも気付いたんだと思う。
だって…。
「ふんふふん~ふん~♪」
「…ぷ。なにそれ、何の曲?」
「これは、はにわの曲」
「…は?そんな曲あるの?」
「んー?今作ったから、あるんじゃない?」
「…なるほどね」
あたしを笑わそうとして、彼なりの一生懸命のフォローが垣間見れるから。