【短】虹色


「…こんな所でどした?」


彼の口調はいつもほんわかしていて、とても和む。
こんな人が、「好き」と言ったら、破壊力は凄いんだろうな…と、そんな事を思っていたら、


「…一緒にクラス、帰ろ?」

と笑顔で誘われた。
それが、彼なりの優しさだと分かるから、とても助かる。

彼は、とにかく人も気持ちに敏い。
だから、きっと、今のあたしの状況にも気付いたんだと思う。
だって…。

「ふんふふん~ふん~♪」

「…ぷ。なにそれ、何の曲?」

「これは、はにわの曲」

「…は?そんな曲あるの?」

「んー?今作ったから、あるんじゃない?」

「…なるほどね」

あたしを笑わそうとして、彼なりの一生懸命のフォローが垣間見れるから。

< 4 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop