真夏のプール
第1章
あーーーー。
すっごい暑い。
真夏の空気は生暖かくて、ムシムシしてて、嫌いだ。
教室の天井に取り付けられた4台の扇風機は、その生暖かい空気を一生懸命かき回している。
こんな暑さじゃ、やる気もましてや寝る気さえ失わせるくらいだ。
でも、だるい。
そんでもって、眠い。
5時間目。
数学の授業。
はぁ。
つまんない。
私、林田 涼夏(はやしだ すずか)は絶賛進路迷子中の、どこにでもいる普通の高校3年生。
理系科目が苦手だから文系に進んだ。
それなのに、数学の授業が週に2回もあることに怒りお覚えている。
2回“だけ”じゃなくて、2回“も”。
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