真夏のプール
真海が放った水を思いっきりかぶる私。
これは冷たい。
「はぁ?!アンタみたいなむっさい男のどこが可愛いのよ!ナルシストか!」
また私が仕返しに水をかける。
まぁ実際、目も二重で大きくて、鼻筋も綺麗で、私より細そうだし、真海が女装したら負ける自信あるけどな!
可愛いよりイケメンだけど。
「はぁ…涼夏、お前さ、むさいとかナルシストって酷くない?流石に落ち込むわ…」
そんなに言うことないじゃんか。とか何とか言いながら本気で落ち込む真海。
俯いて、私の顔なんかまともに見てくれない。
え。
マジのやつですか。
ど、どうしよ。
言いすぎたかな。
「あの、真海さん?全部嘘ですよー?……ごめんね?」
そう言いながら真海に徐々に近づく私。
その時、ほんの一瞬だけど真海の顔が笑っている様に見えた。