真夏のプール
「な?わかったか?」
唇が離れた瞬間、真海はにやっと笑って言った。
私はというと。
驚きのあまり言葉が出てこなくて、コクコクと頷くことしか出来なかった。
「俺はガリガリの女の子何かより、ちゃんと肉付きある子がいいし。いっぱい食べて笑顔になるお前の顔も目の前で見てたい、ってそう思っちゃったんだ。だから、お前が…涼夏がいいんだよ」
向かい合って座る私達に西日が射す。
もうすぐ日が暮れる。
心做しか真海の顔が赤いように見えるけど、それが日差しのせいなのかは良く分からない。
ただ、私の顔は今紛れもなく真っ赤だろう。
「で?」
「え?」
突然の『で?』に、私はなにが『で?』なのか分からなくてポカンとあほズラをしてしまう。
真海はまた真剣な顔で私を見つめて、
「俺、お前が好きだって言ったろ?お前は?」
そう聞いてきた。
あー、これは返事をしなきゃいけない流れか。
恥ずかしいなぁ。
「わ、私も、ずっと真海のこと、好きだったよ」
「だった?」
「あ、違う……好き」
もう恥ずかしすぎて頭の中真っ白!
それに比べて顔はどんどん赤くなっていく。
しかも何か真海ドSになってない?