真夏のプール
真海に送った紙はその後どうなったのかと思い、彼の様子を伺ってみる。
彼は新しい紙を取り出してまた何やら書き出した。
そんな真海はやる気に満ち溢れた顔をしていた。
なんか楽しそう。
そして彼は書き終えた紙をまた小さく折っている。
何が書かれているんだろう。
私の胸もちょっとだけドキドキしている。
だって、好きな人とこうやって手紙回したりって青春じゃない?
真海は折りたたんだ紙を私に回そうとしてこちらを見る。
その時。
ちょうど扇風機の風が私達の席に向かって吹いた。
そしてその紙はフワリと真海の手の中からすり抜けて、空中に舞い上がる。
あ、これはヤバイやつだ。
私がそう思った時には何もかもが遅くて。
数学の怖い先生は、私たちを睨んでいた。