真夏のプール
「でもまぁ、いいじゃん?水、冷たくて気持ちいいしな!」
「良いけど、めっちゃ汚かった」
7月というとても暑い中。
2人で一生懸命掃除をした甲斐があり、もう既にプールはピカピカだった。
『汚かった』とか、文句を垂れる私も、本当は満更でもなくて。
真海と二人きりでいられる時間はやっぱり嬉しくて、ちょっとドキドキする。
「てかあんたさ、先生に美術とかなんとか言われてなかった?」
先生に盛大に怒られた時、そんなような事を言ってた気がする。
今まで忘れてたけど。
「あぁ、あれな。涼夏と絵しりとりでもしようか思って」
へへっと私を見てニコッと笑った。
イケメンかよ。
彼はズボンの裾を少し捲っていて、そこから見えた足は細くて余分な肉は無く、明らかに筋肉onlyだ。
そして軽めに捲り上げたワイシャツから覗く腕にも見とれてしまう。
そんな私の視線に気付いてしまった真海は
「え、ちょっと、何見てんの。照れるぅ〜」
と、ぶりっ子をしてみせた。