私を拾ってくれませんか?
でも、その光はとても暖かく気持ちが良かった。
あぁ、そういえば春だったな。どうりでぽかぽかなわけだ。
顔は見えないが、ぼーっと、自分の目の前に立っている人たちを意味なく見ていた。
「私を拾ってくれませんか?」
「「「「「え?」」」」」
目の前の5人が口を合わせて言った。
…え?
私、今なんて。
口が勝手に動いてしまった。
行くあてがないからって、こんな見ず知らずの人を相手にするわけないのに。
「あ、いや、すみません。なんでもな…」
「いいぞ。」