君のいる世界で夢を見る
白夢


3日前。



今日は久しぶりの週末休みでお姉ちゃんと2人ショッピングへ行くことになっている。


私はバレーボール部に所属していて週末は基本練習なんだけど、昨日あった練習試合で、部員皆が体力を使い果たしてしまい仕方なく顧問の先生が1日休みをくれたんだ。



「陽葵〜!そろそろ行くよ!」



「うん!お姉ちゃんお財布持った?」



「持ったわよ。何当たり前のこと聞いてるの…」


「あはは…ごめんごめん。」



朝比奈 友美(トモミ)
高校3年生のお姉ちゃん。
天ノ宮高校の生徒会長をやってるんだ。



「今年の夏休みは、なかなか予定合わなくて陽葵と出掛けられなかったから…今日は楽しもうね。」



「うん!お姉ちゃんにクレープ奢ってもらうもんね〜」



「は?私そんなの聞いてないんだけど。」



「ねぇ…いいでしょーー!」



「今日だけだからね。今度陽葵もワッフル奢ってよ?」



「はいはーい!」



こんな感じの姉妹のやり取りだけど私は本当にお姉ちゃんの事が大好きなんだ。



夏の大会で、天ノ宮高校は3位まで勝ち上がったんだ。



この辺りじゃ1番強いって有名の高校。
特にもう引退しちゃった3年生の先輩達は本当に強かった…。



憧れていた先輩に近づきたいって思いで入ったバレーボール部だったけれど今になっては私の大切な居場所になっている。



「冬にある大会では絶対優勝したい。」


「陽葵なら大丈夫よ。私応援してる」


「ありがとう。お姉ちゃん」



この時は知らなかった。
まさか、あんな現実が待ち受けていたなんて…
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