君のいる世界で夢を見る

本郷 歩夢(アユム)先輩。
バレー部の元キャプテン。
私が憧れている先輩…


「あ、陽葵ちゃん急にごめんね。」


「いえ、大丈夫ですけど、何か用事ですか?」


「いや、特に用事といった用事はないんだけど」


そう言うと先輩はポケットから、なにか取り出した。


「それって。」


「ほんとは引退試合の時に渡したかったんだけどタイミングあわなくて、貰ってくれるかな?」


「はい!ありがとうございます…」


それは、部員みんなで作ったミサンガだった。


「陽葵ちゃんにちゃんと渡さないとって思ってたんだけどこんなに時間が経っちゃって…ごめんね」


「気にしないでください!大丈夫ですから」


「ありがとう。それじゃ」


ペコリ。
私は軽く会釈をした。


「本郷先輩また陽葵ばっか〜」


「小羽…だからそういうのじゃ…」


「ふふーん。分かってるんだからね〜親友を舐めるなよ〜」


「あはは…」


そういえば、今日は知代ちゃん見てないな…


「華〜知代ちゃんは?」


「今日は、父様に会いに行くって言って今パリにいるよ」


「パリ?!?!」


「うん。明日には帰ってくるって〜」


「流石だね…知代ちゃん。」


「そうだね…」
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