やりなおしちゃってもいいんですか?
パンを買うのはわかっているけど・・・と考えているうちに

2人とってとても懐かしい建物が見えてきた。

「もしかして・・・あそこに行くの?」

浩二は返事はしなかったものの笑顔で頷いた。

あの頃は電車やバスをつかってデートをしていからもの凄く遠くに感じていた。

ここは私達が付き合ってた頃デートコースの定番だった

大型ショッピングモールだ。

今の私は必要な物があってもわざわざこのショッピングモールまで足を運ばなくても

会社の近くにいろんな店があるから買い物に来ることはほとんどなくなっていた。

ま~理由はそれだけではない。

ここには浩二との思い出が多すぎて足が遠のいていたっていうのもある。

まさかその浩二とこうやって2人で来ることになるとは・・・

複雑な気持ちで車を降りる。

店内は土曜日と言うこともありたくさんの客でごった返していた。

何かイベントでもあるのか特に若い女性が多かった。

少し気になる物があるからと言ってほんの数秒止まっただけで

浩二とはぐれてしまいそうだった。

すると浩二はさっと左手を差し出す。

それがどういう意味かはすぐにわかったが恥ずかしくて躊躇する私に浩二は

「はぐれて店内放送かけられるのが嫌なら素直に手つないだら?」と促す。

「う~~~~」

確かにここではぐれて焦って浩二を探すのも、いい大人が迷子同様で

放送かけられるっていうのも嫌だ。

「ほらほら、早くしないと店内-」

「わかったわよ!」

渋々手を出すと浩二は満足そうに私の手を握った。

だがすぐに手が離れる。
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