やりなおしちゃってもいいんですか?
「水漏れの件で杉谷くんの家に行ったじゃない。
部屋に入ってチェックしていたら
写真立てがあってね。よく見たら制服着たメグ・・・あんたの写真があるじゃない。
びっくりして杉谷くんに『あれ?これメグじゃん。あなたうちの娘と知り合いなの?』
って尋ねたわけよ。
そしたら彼めちゃくちゃびっくりして顔を真っ赤にさせてね。
これは何かあると思って冗談っぽく「もしかしてメグの元彼?」って聞いたら
だまちゃって・・・」

えええええ?!

そりゃ目が点になるでしょ。現に私も目が点だ。

母は話を続けた

「ま~今だから言えるんだけどね・・・正直水漏れはたいした事なくて
1日もあれば直せるような物だったんだよね~~
でも杉谷くん、あんたに未練がありそうだったし、彼イケメンじゃない~
あんな子が娘の彼氏だったらいいな~って思ってね、ここは私が一肌脱ごうと
家に呼んだのよ」

母のドヤ顔と2人がまさかのグルと知ってカチンときて

文句を言おうと口を膨らませてると母は急に真顔で私を見る。

「悪いけど私はきっかけを作っただけ。
そもそもこんな事、誰でも良かったわけじゃないわよ。
相手が杉谷くんだったから協力したのよ。あの子の人柄とメグに対する思いが
そうさせたんだからね。でも・・・水漏れに感謝じゃない?きっと運命だったのよ」

「・・・運命」

そういえば浩二も同じ様な事いってたけ。

あの水漏れがなければこんなに近くにいても再会することはなかったかもしれない。

神様が私達を引き合わせるために仕組まれた事・・・

そうおもったらなんだ母や浩二に対する怒りはなくなっていた。

だが母が話の最後に

「あとはメグが杉谷君に愛されるよう自分磨きしなきゃダメよ。
あれだけかっこいいと敵も多いから油断大敵よ」と忠告した。

私は黙って頷いた。
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